立軌会 RYUKIKAI since 1949

同人紹介 > 島 栄里子
  • 横浜生まれ
  • 1974 武蔵野美術大学卒業
  • 1987~1990 画廊協会展(東京セントラル美術館)
  • 1993~2012 日韓交流展、サロンドプランタン展(横浜、ソウル)
  • 1999・2000 立軌会招待出品
  • 2001 立軌会同人、以後毎年出品
  • 2011~2019 欧州取材旅行
  • 1994~2020 個展(ギャルリパリ、銀座アートホール、ギャラリーARK、光画廊、清澄画廊、
        兜屋画廊)
  • 1993~2022 企画展(横浜三越、ギャラリーNICH、ギャラリームサシ、ギャラリー絵夢、兜屋画廊、
        ギャラリーコパンダール、新生堂、高輪画廊、他多数)
  • 1975~2019 グループ展(椿近代画廊、横浜市民ギャラリー、井上画廊、万国橋ギャラリー、
        ギャラリー楽、他多数)
  • 現在  立軌会同人、日本美術家連盟会員

 この10 年、ヨーロッパ風景を描いてきた。永い時を人々とともに歩み、愛された古い街ばかりだ。
 昨年は、南イタリアで出会った廃墟を描いた。地震で崩れ去っても、なお、人々に愛され共に「生きている」といえる街の姿だ。
 早春の不安定な天候のなかで、丘の上の廃墟は、吹きつける強い風にさらされながら、時折流れる雲の間から覗くやわらかい陽の光に包まれて、温かに安らいで見えた。
 草地には羊が放され、広場であったろう場所では馬に草を食べさせながら、地元の人がパイプを吹かしている。そんな光景。
 ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、破壊された街の映像を嫌というほど見た。爆撃や砲撃で破壊された街は瓦礫の山だ。それは、人間の悪意の、憎悪の塊だ。
 21世紀のヨーロッパで、こんな野蛮な形で戦争が起こるなど、想像すらできなかった。
 パンデミックに戦争、これから世界が、地球がどうなっていくのか誰にもわからない。
 インターネットで、世界はつながっているというが、それはかえって個人を分断していると思えるし、AIを万能のようにいうが、統計の集積に過ぎない。
 すべての価値が変質していくこの時代に、私は絵を描いている。そのことの意味は、正直わからない。
 変わらない日常を生き続ける努力を重ねる以外、道はない。

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